ポルティラ 取材記事

「おじゃまします。」

知り合いの家を訪ねるみたいな気持ちになる、
あたたかな雰囲気の古民家。
入り口を通ってたどりついたのは、ポルティラ革の工房 「タツノラボ」さん。

スタッフのmaruとiyuが、革製品の工程で不可欠な 「なめし」について、学んできました。

※【なめし】とは?
動物の「皮」はそのままの状態だと腐敗してしまいます。
その「皮」の性質を安定させ鞄や靴などに使用出来る「革」にする事をなめしといいます。
ポルティラ公式サイトより)

お話を聞かせてくださったのは、タツノラボの師匠こと・倉田さん。
渋い雰囲気に優しい笑顔で、たくさん革のことを教えてくださいました。

取材写真1

・ポルティラ鹿革誕生のきっかけ
ポルティラ鹿革が生まれたのは、1年半ほど前。鹿の害獣被害に困っているお声が届いたことがきっかけだったそうです。


※害獣被害とは?
害獣被害とは、野生の動物たちによって、農作物が荒らされてしまうこと。
特に近年は鹿の被害が多いらしく、害獣として駆除された鹿はほとんどが廃棄物として山で遺棄されるか、焼却処分されています。
ジビエ料理として食べられているのは10%以下。
そのお肉の副産物である皮革の利用は1%にも満たないのが現状です。

狩られるのであれば、お肉は食べ、
その皮は日本の野山が育んだマテリアルとして、
利用する方法を模索する、
そんな考えからポルティラの鹿革は生まれたのです。


・なめし工程とこだわり
「皮」から「革」になるまで、どんなことが行われているのでしょう。
野生の動物の皮は、冷凍状態でタツノラボに届き、細胞が傷まないようにゆっくり解凍、 洗いをかけて塩漬けにします。
塩漬けするのは保存のためのほか、油脂が出やすくなるからだそうです。

皮から革になるまで
皮から革になるまで


実際に洗いやなめしの工程をみせてもらいました!


取材写真2
手袋とエプロンでしっかり作業スタイルの辻さん(左)とカーンさん(右)
とってもいかしてます。


塩漬けされた皮は2週間ほどは置いておくのだそう。
毛や模様もはっきり残っていて、とてもワイルド。


取材写真4
こちらのドラムで塩漬けされた皮を洗浄。3日ほどまわすのだとか!
関連工場さんにはもっと大きなドラムがあるらしく、ここはラボなのでこまわりがきいています。


取材写真5
民家の明かりもいい感じ。


洗った皮は業者さんに肉や脂をそぎ落としてもらいます。脱毛後、厚みを揃えるためにスライスしてもらい、いよいよなめし工程にはいります。
なめしに入るまでの工程も手間暇がかかっていて、自然界の生き物を革にして使う、ということの大変さを感じます。思いついた昔の人もすごいなぁ。

さて、「なめし」という専門的な言葉から、具体的な想像がついていなかったmaruとiyu。
大きなドラムのあるなめし工場にも連れて行ってもらいました。
タツノラボがある兵庫県たつの市には、革の工場がたくさんあります。近くを流れる川の副流水が軟水で洗い工程に向いていて、なめしにぴったりなのだそう。
一同は色んなブランドの革を扱うなめし工場へ。


取材写真6

どーん。
こちらがなめしを行う大きなドラム。
薬剤と一緒にまわすことで、皮の状態が安定し、革としてわたしたちの生活に戻ってくるのです。
それが、なめし。革を柔らかくと書いて鞣し。

こちらの工場には他の業者さんがすでになめしてあった牛の皮が置いてありました。

取材写真7
取材写真8
大きいですねぇ。
青くなっているのはクロムなめしという方法でなめしたときに出る色。
他にも、タンニンなめしだと茶色くなったり、薬剤によってさまざまなのだそう。

なめしの際の薬剤をどのように使うのか。

ここで自然と向き合い続ける、ポルティラのいちばんのこだわりが垣間見えました。
ポルティラが使う独自のなめし剤。

何がどう違うのか、歴然なのは色と手ざわりでした。
ポルティラなめしの革は、真っ白なのです。
これは、素材そのもののたんぱく質の色。これが革の本当の色なのだそう。
牛乳が白いのと同じだよ、と言われて、なるほど!
倉田さんは、この状態のことを「すっぴん」と呼んでいらっしゃいました。
手間隙かけて、余計なものをあまり使わずにできた、すっぴんの白。
その表情を楽しむのが、ポルティラの醍醐味でもあります。
そして手ざわり。特に鹿はとってもやわらかい!


取材写真9
藍染めしたりしてもきれいです。

すっぴんだからやわらかい。
すっぴんだから優しく色に染まる。
すっぴんだから、傷もあるしむらもある。

生き物共通の、
ありのままを感じることができます。

ポルティラのこだわりを伺えば伺うほど、
なめしは仕上がりの分かれ目なのだなぁと実感するのでした。



最後はラボの前で記念撮影。
取材写真10


柿の木もあって、ほんとうにすてきなところでした!
取材写真11



取材写真12
企画デザインを担当してくださっている、春名さん。
ラボのそばの木々のことまで紹介してくれる、明るいお方。

タツノラボのみなさん、ありがとうございました。

・おわりに
タツノラボのみなさんは、普段は生きている動物たちと直接関わっているわけではない。だけど自然界のことを、知っている。
知ったうえでなにをどう活かすか、どうしたいのか、日々考えている。

そんなみなさんが作った、ポルティラ革製品たち。

みなさまにも知ってもらいたい
見てもらいたいということで
かなりの数量限定ですが、鹿革と豚革のアイテムをhaco!で販売させていただくことになりました。

ひとつひとつ、もちろん表情が違います。
生き物だから当たり前なのだけれど、いつもの生活からは新鮮なこと。

ぜひお楽しみください。

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